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 新市場創出の起爆剤に

 関心高まる直流給電

 高圧機器の需要増で内需を喚起


 工場の海外シフトが進む中で、FA制御機器や電子部品流通商社は、スマートグリッドや節電、新エネルギー関連市場へのアプローチを強めている。社会インフラ関連市場として今後投資が期待できることや、電力の使用方法がDC(直流)給電主流で行われるため、従来の産業機器で培った制御技術を活用でき、規格面からも新たな機器の開発につながる可能性が開けるからだ。顧客の海外移転などにより、国内の制御機器市場に閉塞感が強まる中、新たな市場発展の起爆剤としての期待が高まっている。(関連特集7〜11面)


流通商社、メーカーも期待

 東日本大震災発生後の電力危機でさらに高まった省エネ・節電意識と、新エネルギー開発への取り組みは、従来の電気に対する意識を一挙に変化させた。従来これらの取り組みは、投資コストとその効果の天秤にかけた状態で取り組むケースが多く、照明のLED化や、ビル・工場全体での電力消費把握といった形で、省エネ税制など法的な側面から推進を促す面が強かったと言える。

 しかし、3・11以降は、原子力発電への不安とこれに頼らない発電方法、さらにはコストは二の次とした節電への取り組み意識が急速に広がった。

 照明のLEDへの置き換えは、今は家庭やコンビニだけでなく、事務所、工場などの直管型蛍光灯の置き換えに移っている。電球型に比べ高いと言われていた直管型LEDも、停電による生産停止などのロスに比べれば、投資の負担を無視しても購入する動きにつながっている。

 新エネルギーとして期待のソーラー発電も、パネルそのものは急激な価格ダウンで赤字に陥っているメーカーが多いが、電力に変換するパワーコンディショナーの価格は安定し、需要も堅調に拡大している。ソーラーに限らず、風力、地熱など再生可能エネルギーは、DCで発電しており、これをパワーコンディショナーでAC(交流)やDCなど使用する機器に応じて変換している。ACは今でも通常に使用しているが、DCは比較的低圧での使用が多い。

 再生可能エネルギーなどのDCをACへ変換するとエネルギーロスが出るため、そのまま使用することで、省エネにつなげようというのが直流給電方法で、従来の電力送電も直流にしようと検討されている。

 パワーコンディショナーをはじめ、電気自動車、充電スタンドなどでのDCの使用は、直流の開閉時にアークが発生するため、この危険性をどう回避するかが検討課題となっている。DC100V〜650Vといった高電圧は、ACでは問題なく対応できているが、DCでは、まだ研究を継続している機器も多い。

 操作用スイッチ、コンセント、コネクター、リレー、ダイオード、ヒューズ・ヒューズホルダー、ボックスなど高圧直流給電で新たな開発と置き換え需要が生まれることが見込まれる。

 スマートグリッドに代表される電力の効率活用を前提とした国を挙げた社会インフラ整備の一環として、波及効果は大きく、国内市場の空洞化に不安を抱く商社にとっても、また機器開発を進めるメーカーにとっても大きな市場創出につながる動きとして注目される。

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「熱制御対策」で協業

 山武、米デ社に資本参加 出資比率13.8%


 山武は、米・ディグリーコントロール社へ、約2億円(出資比率は約13・8%)資本参加する。ビルオートメーションの環境制御事業強化の一環で今後、事業上の戦略パートナーとして、営業および技術開発の協業を進める。デ社は、通信、医療機器、コンピュータおよびエレクトロニクスの各産業で、高性能電子機器から発生する熱を気流工学で冷却する放熱制御や温度制御で解決する熱対策ソリューションを提供している。

 2009年1月からデ社の「アダプティブクール」を、日本国内で販売し、データセンターの課題とされている熱だまりや冷やしすぎを解消し、最適な温熱環境を実現するソリューション商品として取り組んできた。

 導入により、空調にかかわるエネルギー量を約20%削減(500平方メートル規模のデータセンター)することが可能になる。

 10年12月には、サーバルーム内の気流を最適な状態に保つとともに、省エネルギーを実現する新機能「気流制御システム機能」を追加している。

 今後、国内のデータセンター市場のみならず、高発熱負荷の課題をかかえる市場に積極的に提案するとともに、今回の出資を機にデ社の熱対策技術、温度・気流センサー、熱負荷ソリューションの事業領域においても、協同で事業展開を検討し、5年後に20億円の売り上げを目指す計画。

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 相原電機 パワエレなど新規事業具体化

 製品化へ体制整備


 相原電機(大阪市平野区瓜破4-2-32、TEL:06-6707-3456、城岡充男社長)は、中期計画の重点施策として新分野への注力を掲げているが、非接触給電システムやパワーエレクトロニクス分野における太陽光発電用パワーコンディショナなどの新規事業が具体化しており、製品発売や量産化に向け体制を整えている。

 パワーエレクトロニクスは、電力変換と制御の応用技術で、交流から直流に変換する整流器や、直流を交流に変換するインバータなどが挙げられる。

 応用例では、発電・送電などの電力分野、回転機・ファン・ポンプ・ブロアなどの産業分野、工場などの電源装置、電車の駆動・変電分野、さらに自動車、家電分野など幅広い分野で応用されている。

 同社は、昨年からスタートした中期計画「大河」で、力を蓄えておくこと、新分野への注力、外作拡大の3つを重点施策に掲げており、2年目に当たる今年はこれらの施策をより具体化させている。

 特に新分野への注力では、非接触給電システムやパワーエレクトロニクス関連で具体的な成果が現れてきた。

 同社が開発した非接触給電システムは、トランスと同様に電磁誘導作用によるもので、電源コイル側(一次側コイル)と、受電側コイル(二次側コイル)間を空中で磁気的結合を行わせ電力を伝送する。無接点・非接触で、一次側と二次側コイルを30センチから50センチ近づけると通電し充電できる。

 充電の露出部を完全になくすことができ、火花が発生せず安全で、水や塵埃に強く摩耗することがない。一次側と二次側の位置関係に自由度があり、床や天井への設置や、壁埋め込みも可能である。プラスチックやガラス越しでも送電が可能となっており、非接触なのでメンテナンスが簡単である。

 同社では昨年から同システムの実用化に向け、協業メーカーなどの協力を得ながら開発を行ってきたが、ビルの窓清掃や搬送機分野で具体的な案件が動いており、今夏をメドに本格的に事業展開を行う方針である。

 一方、パワーエレクトロニクス関連では、家庭やビル・マンション向けの太陽光発電用パワーコンディショナの製品化に注力しており、発売に向け詰めの段階に入っている。同社では、このパワーコンディショナ・リアクトルについて、次世代のリアクトルとしても期待できるとしており、こうした分野での実用化に向け開発のスピードを加速させている。

 さらに、同社ではスマートハウス向け系統連携トランスにも取り組んでおり、近く量産を開始する予定である。

 城岡社長は「こうした新製品は、当社がこれまで手がけてきた産業用製品の開発技術を駆使したもので、是非とも大きな事業に成長させていきたい」と意気込みを語っている。

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